コガネブログ

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【Game Graphics Groove】「グラフィッカーがこの先生きのこるには ~『スクールガールストライカーズ』のリソース設計思想~」メモ

はじめに

  • 現在はネイティブアプリ全盛期
  • 以前よりも質も量も高いものを求められる

よくある死因その1

絵の差別化ができずに死ぬ

  • スクストでは3Dを採用して、その強みを生かすことにした
  • 2Dのカード絵はリッチ化しすぎていて差別化が難しい
    • スクエニの自信のある3Dで勝負

ぶっちゃけ予算がかかるんじゃないか

  • やりかた次第
  • とはいえ高くなりがちなのは確か

静止画だと、2Dイラストの魅力に負けるんじゃね?

  • 負ける。なので、できるだけ静止画で勝負しない
  • 女の子の反応や、イベントシーンでのカメラワーク等、3Dならではの
    女の子が「そこにいる」という存在感を出すことに注力した

まとめ

  • 差別化は必須だけど、やるなら特化しないと厳しい

よくある死因その2

動く端末が少なすぎて死ぬ

  • iPhone6だときれいに動くけど・・・

スクストではハードの上限を叩かないリソース仕様にした

  • 意外となんとかなる

スマホのグラフィックエンジンの弱点は触らない

  • 極力アルファテストとアルファブレンドは使わない

まとめ

  • 最初でやりすぎないことが大事
  • ゲームの動作が軽いとユーザーさんも継続してプレイしやすいし、
    あとからの仕様変更にも強くなる

よくある死因その3

作り終わらないで死ぬ

  • 「すべての要素で100点満点」を目指さないこと
  • スクストでは女の子の魅力の表現だけに特化した

女の子の個性と魅力を出す!

  • この女の子ならこういう仕草を取るなど

引き換えに諦めたこと

  • 業界の中でのみ受けがいい高度な技術の披露
  • 髪の毛の物理コリジョンの正確さ
  • 同じ時間を費やすなら女の子の個性や存在感を出す制作に注力

まとめ

  • こだわりは必要だけど、方向は絞ること
  • 作り終わってリリースできることが大事

よくある死因その4

売り上げが上がらずに死ぬ

  • スクストでは、ユーザーさんの手に入るものをリッチ化した
  • 自分が買わないものはユーザーさんも買わない
    • 何が手に入ればうれしいか考えた

一回のガチャで手に入るものを増やした

  • コスチュームやアクセ、戦闘シーンなど
    ユーザーさんに渡せるものはすべて渡す設計にした

手に入るものをリッチにしたことでよかったこと

  • パラメータだけでガチャの価値を担保しなくて良かったため
    無茶なパラメータインフレが抑えられた

まとめ

  • せっかくリソースを作るならユーザーさんに渡せるものを

よくある死因その5

運営に必要なリソースを用意できずに死ぬ

  • 最初の売り上げが良くても・・・
  • スクストでは必要なリソース量から逆算して作品を決めた
  • 一か月に作る量をまともに作ると死んでしまう

徹底的な効率化を考えた

  • 女性しか出さない
    • ボーン構造の共通化、
      モーションの共有ができる仕組みの実装など
  • 作品は「現在」が舞台
    • リアリティの説明に必要な素材、
      たとえば建物の構造などを描かなくていい
  • 3Dモデルにライティングを行わない
    • キレイな陰影が出るような法線編集の手間を省く
  • バトルは異空間の空中で行う
    • エフェクトが床に刺さって見栄えが悪くなるのを回避
    • 前方&後方移動のモーションもカットできる
  • など、大きなものから小さなものまで
    • チリも積もれば山となる
  • ストーリーやキャラクターからではなく
    この条件を満たした作品を作る方針にした

効率化で浮いた時間でサービスの質を向上させた

  • 当初の予定の1.5倍ほどのリソースを用意している
  • ときどきはゲーム進行とは全く関係ないミニゲームなどで
    キャラクターの魅力を伝える
  • 余裕がないと制作陣も楽しめないし、楽しんで作らないと、
    それはユーザーさんに絶対伝わってしまう!

まとめ

  • グラフィックの効率化はとても大事
  • 戦略ミスは、戦術では取り返しがつかないことも多い

よくある死因 番外編

UnityやUE使ったらすぐできるでしょ?で死ぬ

  • スクストではエンジンと同時開発を行った

エンジン使ってもリソース制作効率は上がらない

  • エンジン使って効率化が図れるのはゲーム性の確認のみ

まとめ

  • グラフィッカーは声を上げていこう!
  • グラフィッカーには当たり前でも、
    他の職種の方からは知られてないことはまだまだたくさんある

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